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性欲を刺激する「媚薬」は実在しているのか?効果や種類なども含めて検証

媚薬

主に性交渉にまつわる道具や薬には様々なものが存在していますが、その中には科学的に効果が認められ、一般に向けても実用化されているものから、あまり効果がはっきりと確認されていないにもかかわらず、広く信じられているものなど多くのタイプがあります。

その意味で、実在や実効性がしっかりと確認されているのか、いないのか曖昧なものの一つとして、「媚薬」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。

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媚薬は存在する?

媚薬とは、大きく定義するならば、性的興奮をも足らず効果のある薬、とでも言えるでしょうか。

場合によっては「惚れ薬」のように性的興奮に限らず、恋愛感情を起こさせる薬として語られることもあります。

この考えは古くからあり、歴史的にも多くの「媚薬」の存在が語られています。

しかし現実はどうかと言うと、実は薬学的にはっきりと効果が確認され、かつ一般的に流通している媚薬というものは存在していません。

ただし、その定義自体が曖昧なため、たとえば付き合っている男女のカップルがいたとして、その二人が性交渉をする前に性的興奮を盛り上げるための香り、なども媚薬に含むならば、まったく存在しないとも言えないのがこの問題の難しいところでもあります。

とは言え、その多くは個人の思い込みの結果である「プラセボ効果」によるものとされることがほとんどで、生理的に明確に効果が認められ、実用化されている薬は存在せず、架空のものであるというのが、薬学における共通する認識です。

媚薬の分類

ここで、「媚薬」と呼ばれる薬の種類についても触れておきましょう。

一口に媚薬と言っても、そこで期待される効果は様々です。

肉体的なものであるか、精神的なものか??

一部に作用するのか全体に作用するものなのか???

以下に、一般的に媚薬と考えられている薬の効果を分類します。

・催淫剤

性欲を刺激する効果があり、男性においては精力減退に対する治療、勃起力の効果などが知られています。

これらは過去には存在しましたが、非常に高価、かつ嘔吐・眠気・低血圧の強い副作用があります。

さらに長期間の服用が必要とされる割に効果が低く、浸透しませんでした。

ちなみに現在広く知られているED治療薬には性欲を刺激する効果そのものは無いため、媚薬には含まれないとされます。

・性ホルモン剤

アンドロゲン、エストロゲンなどのいわゆる性ホルモンと呼ばれる物質を原材料とするもので、実際に人間の体内に存在するもので、性欲増進、正規の発達に効果があるとされました。

しかし製剤として投与した場合の発がん率が異常に高く、製造は中止されています。

媚薬が存在しない理由1

ここからは、現在媚薬というものが科学的に効果が実証されているものとして一般に販売されていない理由について解説していきましょう。

まずは一つ目として、薬効を証明できていないという点が挙げられます。

科学的に臨床実験などで効果を証明できていなければ、「媚薬」として販売することはできません。

しかし最も難しいのが「性欲」を証明するということです。

性欲は精神に大きく依存するものなので、薬の投与前と投与後で精神的に「性欲」にどのような変化が生まれたのか、科学的には非常に検証しづらいのです。

二つ目は、副作用の問題です。

先ほども性ホルモンを投与した場合の発がん性について触れましたが、性欲のみを刺激するということは非常に困難で、それ以外の様々な効果も伴ってしまうのが現状です。

たとえば性欲を刺激する性中枢の存在する視床下部には、他にも様々な機能があり、他の食欲や攻撃性にも悪影響が出る恐れがあります。

それらの副作用の危険性においてまだ十分な検証がなされていないのです。

媚薬が存在しない理由2

三つ目は、悪用される可能性です。

多くの人が思い当たると思いますが、性欲を刺激する媚薬がもし実効性のあるものであれば、それが犯罪などに悪用される可能性は非常に高いと言えるでしょう。

本人の意思に関係なく、薬を投与するだけで性的な興奮が増加してしまえば、悪意を持って使うことに歯止めが利かなくなることは容易に想像できます。

そのための法的な整備も必要になるため、前向きに開発する理由に欠けるというのも現在の問題の一つです。

そして最後の理由は、製薬会社にとって媚薬を開発するメリットが少ないということ。

これはここまで解説してきた副作用の問題、犯罪に利用される可能性なども踏まえてのことですが、それらを見越した上でなお開発を進めるメリットが、製薬会社にはあまりありません。

特に脳に関わることであるため、開発にはリスクも大きく、現在では性欲を刺激するという目的のためのみに媚薬を開発することは、現実的とは言えないでしょう。

媚薬 まとめ

媚薬には、精神に作用するものから身体に作用するものまで様々な分類がありますが、現時点としては、科学的に効果が証明されていて、なおかつ実用化されているものは存在しないと言えます。

その理由としては副作用の危険や犯罪などに利用されるリスク、それらを負ってまで製薬会社が開発を進めるメリットに欠けるというものです。

これまで歴史的にも多くの人から媚薬は求められ、信憑性の全くないものから、一定の効果は認められると考えられるものまで存在していましたが、現実に私たちが実効性のあるものを手にできるのはまだ先のことになりそうです。

ただし、ここまで解説してきたデメリットを払しょくできたならば、まったく実現性のないものではないというのも事実です。

特にニーズはいつの時代もかなり高いものであるため、いずれは実現するかもしれません。

もしも待ち望んでいる人がいるならば、その可能性に期待するのも一つの手でしょう。

古くは同じように幻想と考えられていた勃起不全の治療薬が実現している今では、全くありえない話ではありません。

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